登記簿謄本の甲区には何が記載されているのですか?
登記簿謄本の甲区には、所有権に関することが記載されています。 ここを見ると、その物件の所有者が誰の手に移り、現在は誰が所有しているのかがわかります。
また、記載事項は先にあるほど古いので、通常は一番後ろに記載されている所有者が現在の持ち主、すなわち売り主本人ということになります。
甲区を見るときの注意点は?
■登記簿上の所有者と売り主とが異なっているケース
登記簿上の所有者と、これから売買契約を結ぶつもりの売り主とが違っている場合には注意が必要です。
これは、本来であれば、その物件の所有者でない人が売り主になることはないからです。普通に考えると、他人の所有物を勝手に売っているわけで、そのような物件を買ってしまったら後で本当の所有者が現れたときにトラブルになる可能性が大きいからです。
とはいえ、売り主と登記簿上の所有者との間で売買契約が結ばれていて、たまたま登記簿にはそのことが記載されていないというケースもありますので、そのような場合には、売買契約書を確認するようにします。
なお、売り主がその物件の「権利証」(登記済証)を保有していることを確認するのは必須です。
■登記簿上の所有者と売り主が同じでも、権利証の確認は必須
権利証とういのは、登記所で所有権移転登記の申請をして登記が済むと新たな所有者に交付されるものです。
この権利証は、もし紛失しても再発行はされないので、通常はこれを持っている人が所有者本人ということになります。
ただし、権利証がなくても「保証書」によって所有権の移転登記は可能となっているので、ここで問題が生じます。
つまり、権利証を紛失したことにして保証書を発行してもらい、その保証書を付けて第三者に物件を売り、一方、紛失したはずの権利証を別の買い主に渡して二重に売るという、悪徳業者の存在です。
この場合には、一つの物件に買い主が二人存在していることになるのですが、誰が本当の買い主であるかというのは裁判所で争うことになります。
どちらにしても、こうしたトラブルに巻き込まれることは避けたいですので、登記簿の記載事項はしっかり見るようにして、売り主本人であるかどうかはよく確認するようにしてください。
登記簿謄本の乙区に記載されているのは?
登記簿謄本の乙区には、所有権以外の権利関係が記載されています。具体的には、住宅ローンを借りるときに行う抵当権設定登記や賃借権、地上権、地役権などがあります。
乙区を見るときの注意点は?
抵当権が設定されているということは、債務が残っているということですので、次のようなことになりかねません。
■住宅ローンを借りようとするときに、担保価値の関係で十分な借り入れができない。
■場合によっては購入者がその債務を支払わなければならない。
こうした事態にならないように、購入するまでに売り主に必ず抵当権を抹消してもらうようにしてください。
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