変動為替相場制というのは、外為相場が市場の需給実勢に従って決定され、そのような外為相場の変動を通貨当局が認めている制度のことをいいます。
変動為替相場制は、理論的には、国際収支の不均衡を為替相場の変動により、自動的に調整する機能を持っているといわれています。 しかしながら、一方で、利ザヤ稼ぎなどの投機的な資金移動を誘発しやすく、相場自らが不安定となり、実勢から大きく乖離して、貿易の拡大を阻害しやすいという面も持っています。
管理された変動相場制というのは、相場水準が一定方向に極端に偏ったり、変動が激しいときなどには、通貨当局が市場参加者となって外貨の売買による市場介入を行い、相場をコントロールするもので、この制度が一般的です。
日本では、第二次世界大戦後は1ドル=360円の固定相場制が長く続いていました。 その後、1971年8月のニクソン・ショック、さらにスミソニアン調整を経て、1973年2月以降変動為替相場制に移行しました。